2024年4月1日月曜日

総会特別企画「会員交流会」のご報告 (2023年5月)

総会特別企画「会員交流会」のご報告

 5月28日(日)ドーンセンター大会議室にて、第33回総会に併せて「会員交流会」が開催されました。交流会は予定時刻を早めて14時30分から16時30分までの2時間、小学生の保護者から青年の保護者まで33名が会場およびオンラインで参加しました。「小学生から高校生の未成年の子どもをもつ保護者のグループ」「大学生・大学院生および青年の成人した子どもをもつ保護者のグループ」「オンラインで参加のグループ」の3つのグループに分かれて話し合い、会場では拍手が度々起こるなど大変な盛り上がりを見せました。今回は、会員継続時のアンケートから参考にした話題を集め、それらの中から話し合っていただきました。各話題の内容は以下の表の通りです。

 会員交流会の話題

帰宅後の時間配分や整理整頓など、本人がわかりやすい方法を知りたい。

家がラクだからと言って甘えている。昼夜逆転で活動時間が真逆で、ストレスになる。

不登校・引きこもり状態。どうしてよいかわからない。

本人は「発達障がい」ではないと思っている。本人が困った時に「こんな所があるよ」「こんな方法があるよ」とアドバイスしたいが。

本人だけではスケジュール管理ができない。

やらなきゃいけないことが沢山あると行動に移さずに、(課題から)目を背ける。

きょうだい児と本人の関係が難しい。結婚出産を躊躇したり、親亡き後のことで悩むのじゃないかと心配。

本人のこだわりが強く、家庭でも学校や職場でも手を焼いている。

身の回りのことが出来ず、学生の頃から習得させておくべきだった。一人暮らしだが、定期的に様子を見に行かないといけない。

「皆出来ているのになぜお前はできない」と怒られ、学校・会社との雰囲気が合わず辞めてしまった。

居宅支援の担当者が辞め、次のヘルパーが見つからず困っている。重度障害者や老人の為のヘルパー派遣に重点が置かれている。

8050問題に直面している。

【未成年の保護者のグループ 感想】

小中高生保護者13名のグループでは、自己紹介のあと話題の中から、「自分で立てた予定に基づき行動する」「やるべき課題に向き合う」等のテーマに沿って話し合いました。「お風呂に入る」「着替える」から、「待ち合わせに遅刻せずに行く」や「定期テストに向けて勉強する」というものまで、それぞれの学齢にまつわる課題が出てきました。学年が上がるにつれ、より計画立てた行動が求められるようになり、達成するにはそれに応じた工夫や手助けが必要になることがわかりました。

解決策としては、「まず本人が楽しみにしている予定からスケジュール管理に慣れさせ、徐々に他の課題にも向き合わせる」「時間の概念が弱い子どもの場合は、図で示して視覚化し、自分が今どの段階にいるのかの理解に役立てる」等が出ました。本人にどこまで任せるのかを成長段階に合わせて見極め、少しずつ親が手を放していくことが重要との意見も出ました。

保護者同士、共感しながら子育てについて楽しく語り合いました。 (中学生の保護者S)


【成年の保護者のグループ 感想】

 成年グループには、現役大学生~40歳台の子どもの親12名が集いました。自己紹介の中で、それぞれが左表の話題の中から自分の今の思いに近いものを選んで子どもの現状や悩み事を話しました。就労数年以上の方からは転職を含む就労継続の課題や(就労は継続できても)金銭管理を筆頭に日常生活や整容・体重などの自己管理の難しさが話され、服薬調整の問題も出ました。大学生の方からは就労など将来的な不安が語られ、後半はプチ相談会にも発展していました。(青年の保護者T)

<参加者の一言感想より>

・高校生くらいからインターンシップなどの職業体験の機会を増やして欲しい。体験を通して自分の特性を見つけることができると思う。職場へ通うこと、定期の時間働くということはとても大切だと思う。

・就労体制が親だけでなく子ども自身にも判りやすいことが大事なのではないかと感じました。

・先輩方のいろいろな仕事の話が聞け、親として、少し自信がもて、本人と将来の事を考えていく方向も持てました。

 【オンライン参加のグループ 感想】

 こちらのグループでは、高校生の保護者(ご夫婦で参加)・大学生の保護者・子どもが就職したばかりの保護者・就労し一人暮らしをされている方の保護者など、7組8名が参加しました。話題一覧を見て「ほぼ全て同感!」「私自身にも当てはまる」と笑いが起き、こちらのグループでも和やかにスタートしました。進学・就職など新たなスタートを切ったお子さんの様子の話も交え、本人のやる気(=やりたいと思う事)が大事で、そのために適切な配慮を伝えて周りの環境を整えることの大切さを改めて感じることが出来ました。 (大学生の保護者I)

【アンケートお礼】

更新手続きの際に行ったアンケートでは、皆さんから多くの回答をいただき、ありがとうございました。

 今回の特別企画では、アンケートの回答を一覧にまとめ、会場にご参加いただいた会員に「同感!」「いいね!」と思われたものに投票していただきました。多かったものは以下の通りです。

(表の「未成年」は会場に集まった未成年の保護者グループ、「成年」は会場に集まった成年の保護者グループです)。

興味のあるテーマ・勉強会などでとりあげてほしいテーマの結果 未成年 成年

・発達障がいの子の対人スキルやトラブル対処について 4 7 11

・障害者就労について 3 5 8

・成人後の自立したくらしについて親が知っておきたい事 3 4 7

・進路について 6 0 6

・性教育のこと 4 2 6

・親亡き後の本人たちの生活について 1 5 6

・障害のある子と家族のライフプランニング 2 3 5

・障害枠就労者のキャリア形成・スキルアップ 2 3 5

・将来の暮らし方について 3 1 4

・犯罪に巻き込まれないためのスマホの使い方 1 3 4

・ペアレント・トレーニング 3 0 3

・思春期の女の子の育て方について 2 1 3

・障害年金について 2 1 3

・ファイナンシャル・プランナーのお話 1 1 2

・発達障がい者自身が福祉サービスを利用する方法 1 1 2

・オンラインお仕事体験 0 2 2

・青年向けの服薬の話や新しい薬剤についてのお話 0 2 2

・WISC5のこと 1 0 1

・発達障がいのある子のきょうだい児の結婚 1 0 1

・グループホームについて 1 0 1


会活動へのリクエスト結果 未成年 成年

・参加できなかった勉強会で見逃し配信や資料が欲しい(※) 5 2 7

・先輩のお母様のお話を聞きたい 3 2 5

・親だってゆっくりしたいを実現できるような活動をしたい 1 2 3

・今年度から会報印刷後の交流会が参加しやすくなる 1 2 3

・子どもたちの育ちに役立つ活動ができたらいいなと思う 2 0 2

・後輩のお母様に(体験談を)お伝えできればうれしい 0 1 1

・会報に講座の要点や概略を少しでも載せてほしい(※) 0 1 1

その他に、「ペアレント・メンターになるための活動に参加したい」「平日に会活動の方が参加しやすい」といったリクエストもありました。

【お願い】

(※)印の項目について、おたふく会では講演会・勉強会等に申し込みをされていない方や欠席された方への資料配布や、講座内容の詳細を講師に代わって会報に掲載もしておりません(会報には、講座内容の大まかな項目と参加者の感想に留めております)。関心のある講演会等には、ぜひご参加くださいますようお願いします。(2023年6月会報より)