一般社団法人 日本LD学会第29回大会(兵庫)報告
2020年10月10日(土)~11日(日)、「発達障害と教育の未来~学びの多様性をふまえた学校づくりへ~」をテーマに、第29回日本LD学会が開催されました。当初は大阪で開催予定でしたが、Webによるオンライン学術集会という形での開催になりました。申込数は 3,672人、総アクセス人数は延べ 19,345人だったそうです。「おたふく会」は、親の会懇親会やポスター展示担当などのお手伝いをする予定でしたが、残念ながらどちらもなくなってしまいました。
リアル開催の場合は部屋の管理当番などがあり、また当然時間が重なっているシンポジウムには出られず、人気のある講座は満員で入れないこともありましたが、今回は2日間の開催期間が終わった後もWebで10月31日まで、選び放題で、何回でも、いつでもどこからでも視聴することができました。とはいっても、実際はなかなか時間がなく、私の場合は結局親の会シンポなど、限られたものになってしまったのですが。
子どもも学齢期をはるかに過ぎ、教育関係に関わる機会は普段ほとんどないこともあり、タイトルを見ても、「何のことだろう??」と思ってしまう言葉(プログレス・モニタリング、行動コンサルテーションなど)もありましたが、いろいろな手法や検証を取り入れて、特別支援教育がますます進化していることがよくわかりました。
その点では、こういった形式の開催はとてもよかったと思います。一方で、リアルな会場で感じられる何とも言えない熱気(発達障害について熱心に取り組んでおられる研究者や学校の先生がこんなにたくさんいらっしゃるんだと感動する雰囲気)、教材などのグッズや書籍販売など通りがかりでの出会い、全国の親の会会員との交流などの機会がなかったことは残念でした。「おたふく会」としても、開催地が大阪になるのは数年ぶりで、お手伝いを名目にたくさんの会員の方に参加していただきたかったなぁと思いました。
来年の開催方法はまだわかりませんが、ぜひとも多くの会員の方に参加していただきたいと思います。(M)
【感想】
〇オンラインの操作に戸惑いながら、LD学会の大会に参加しました。大学生の我が子を持つ親として、今、最大の心配事は就職です。就職活動をやらないまま卒業する学生、就活で気持ちが折れてしまう学生、うまくマッチング出来ずにすぐに辞めてしまう学生…等々就職にまつわる学生の姿を耳にする度に心配度は増しています。今回、『大学生を中心とした成人期発達障害者へのコーチング』に参加しました。コーチングの考え方は、目から鱗でした。ついつい一方的に「…しときや」と言いがちな自分ですが、今後は、我が子と双方に協力しながら、行動計画を立て、目標達成に向けた行動のサポートをしていこうと思いました。就職活動にむけて、まだまだ不安は尽きませんが、親としてどうサポートすればよいか?大学の就職課へどのようなサポートをお願いすればよいか?について、大変参考になりました。(M)
〇今年度のLD学会大会はオンライン学術集会だったので、アーカイブ配信開始後から実に色々な(気が付けば20近くも!)講義を聴かせてもらっていました。中には何度も繰り返し聴いた講演もありました。以前のような日にちが限られ会場だけの大会だとプログラムとにらめっこをしながら「どれを聴きに行こうか…。」と取捨選択でしたが、今回は、全国LD親の会のリアルタイム配信もバッチリ聴けた他に、大学生の息子のことで参考になることや支援員のお仕事の参考になるようなことなど、気になったタイトルのものは全て聴講できて大変満足でした。オンライン講義の便利さにただただ感心し、とても有意義な機会でした。(I)
(2020年11月会報より)