保護者による家庭と教育と福祉の連携・協働を考える座談会
8月8日(日)10時からドーンセンター中会議室3にて、保護者による家庭と教育と福祉の連携・協働を考える座談会を開催しました。参加は10名(会場6名・オンライン4名)でした。
去る6月27日に行われた全国LD親の会公開フォーラム&大阪LD親の会「おたふく会」設立30周年記念企画「発達障がい児の育ちと学びを支える~家庭と教育と福祉の連携・協働に必要な事」では、コロナ禍の中、オンライン講演会という形で広く啓発活動を行った訳ですが、「専門家にお話しいただいてそれぞれ感想を述べて終わり…」ではなく、保護者である私たちも意見や考えを話し合いたいと思い、急遽、おたふく会瓦版にて座談会への参加を募集し開催した次第です。
当日は大変多くの話題であっという間の2時間でした。ご参加いただいた皆様、貴重なご意見やお話をありがとうございました。行政や関係機関の会議等で提言できるよう、今回の公開フォーラムや座談会での意見を今後まとめていきますが、座談会での話題の一部を以下に掲載し、ご報告します。
(もっと知ろう…学校と家庭とをつなぐ取組み)
●今回の企画の段階で「トランアングル・プロジェクトって何?」とか「SSWとかSCは何やってんの?」みたいな感じだったので、改めて調べました。ST、OT、SC、SSWの先生方に講師に来ていただいて、学校と保護者を「つなぐ」ことに関する取り組みを聴かせてもらって本当に良かったなぁと思いました。
(どの地域でも専門家に相談できるように…)
●今回のフォーラムのテーマである「連携」については行政関係の会議でも議題に挙がる項目です。全国の学校にOT・ST・SC・SSWなどの福祉専門家をどれだけ配置できるか、国や地方自治体の事業としてすごく重要だと思います。また人員確保の面では、子どもの発達がわかっている福祉専門家がどこの地域の学校でもカバーできるようにするには、都道府県の各士会が受け皿として機能する体制が必要だと思います。
(増えるといいね!専門家との連携)
●講演を聞いた後、書字困難がある小学生のお母さんに「OTの学校への派遣」を薦めてみました。支援級の先生との懇談会に私も相談支援専門員として同席しOTの学校への派遣について説明すると、校長先生につないでくれたので、フォーラムのチラシや作業療法士会のHPからプリントアウトした「相談事例」を渡しました。そんなふうにつなげることもできるんだなぁ、そういう実績をつくってほかのところでもどんどんやってもらえたらいいなぁと思います。
(家庭と学校を「つなぐ」には?)
●今は学校に行かない道もありいろいろ充実してきて、逆に迷うというか…。情報を集めて自分の子に何が本当にいいのか決めるのが大変な時代になっている気がしなくもないようで、子どもをとりまく環境も格差が開いているように思う。
(全ての子どもがデジタル端末を使えるように…)
●<ICT支援員についての話題で…>「学校への支援」という位置付けから「子どもの学びを支援する」という形に変えていかないといけない。ICT支援員が授業に入ることで、支援が必要な子が苦手とする部分にICTが活用されたらと思う。先生にICTを活用する知識を得てほしいので、ICT支援員も支援体制に加わってほしいが、まだまだそこまでいっていない。地域格差もある。だからこそ、しっかり言っていかないと現状からなかなか変えられない。
(学校で働く福祉専門家も一緒に)
●「チーム学校」の内容を充実させるということは有効だと思います。学校という教育現場に携わる人たちの中で教員以外の専門家がかかわることが日本ではすごく少なくて、学校の運営のことなども教員がやっています。そういった教員の忙しさをどうにかしていこうということもあり、「チーム学校」をもっと充実させてしっかり推進してほしいですね。
(校長先生、よろしくお願いします!)
●困っている子どもに近くて、状況をみてこれは専門家につなげなあかんなぁって判断しやすいのは保健室の先生やなと思う。でも外部専門家を巻き込めるのは校長やし、お金の問題もあるし、校長が言わないと専門家も来てくれへんから、校長の役割は大きいかなと思う。管理職研修でやってもらえるように、教育委員会にこちらから働きかけるのが大事かも。
(2021年9月会報より)