2023年3月19日日曜日

2022年度おたふく会アンケート結果(2022年11月)

 2022年度おたふく会アンケート結果

~アンケートへのご協力ありがとうございました~

おたふく会では毎年、会員継続手続きの際にアンケートを実施しています。今年度は、全国LD親の会の文科省・厚労省宛の要望項目の中から、「おたふく会会員もこれは強く要望したい!!」と思われていることにチェック(複数回答)や、困っている現状・ご意見も自由に記述していただきました。継続会員の回答者数は、小中グループ9名中8名・高大グループ18名中16名、青年グループ51名中40名でした。皆さんからのアンケート回答は、おたふく会が参画している発達障害支援体制整備関連の会議等で会の意見として参考・活用します。

おたふく会アンケートの自由記述から  ~貴重なご意見ありがとうございました~

【教育関係】

・期限付き臨時教員による配置を改め正規の教員の配置を計画的に進めてもらいたい。

・初任教員がクラス担任を持つ場合には副担を付けてほしい。

・35人以上の普通級では担任の負担が大きすぎて、個別の支援や配慮を提案やお願いできる状況ではない。

・1クラスあたりの人数を小さくすることは是非とも有効策として促進してほしい。

・支援籍はカウントされない所がある為、支援学級籍と通常学級籍のダブルカウントを認め、学級数増を求める。

・職場が小学校ですが、コロナ禍で教員や支援員が欠勤すれば人が足りず困っている。

・通級を各校に設置し、自校通級を進めてほしい。

・スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセリング、通級が増えてほしい。

・特性を理解し「個別対応」して下さる先生が特別扱いされることなく学校全体で取り組む体制を整えてほしい。

・学校がフィットしない子のため「校内フリースクール」「適応指導教室」を各校設置し選択肢を用意してほしい。

・個別の教育支援計画は、1年後の評価・支援内容等の記録を毎年保護者にも渡してほしい。

・切れ目のない支援のため、本人・親・前任・後任を交えて伝える機会を新年度スタートで設けてほしい。

・先生同士の引継ぎをしっかりしてほしい。

・中学校に上がる際、支援内容を伝えても出来なさそうだった。不安なく進学できる対策を立ててほしい。

・進学先に配慮をお願いした際「協力できない、どうにもなりません」と言われた。タブレット持込みも不可です。

・タブレット端末は障がいのある児童生徒が個別に活用できる感じではない。

・デジタル教科書は先生方の端末に入っているものを見せてもらうので、支援担がいない時は個別に見られない。

・発達障がいのある大学生への就職支援の充実を求める。

・手帳のない大学生が、合理的配慮のある企業の就労につながるよう就活支援からサポートしてほしい。

・学校と医療やデイサービス等が協力して、支援がスムーズになるようにしてほしい。

・学校と福祉(放デイ等)とで情報共有し連携を強くしてほしい。

・ホームスクール、フリースクールを行う事は許されているが、その場合は「助成金」などの補助をしてほしい。

・(全国LD親の会の要望項目は)全て重要と思う。

・私立大学においては自主努力という事であいまいさがあり各大学においても差がある。

・「どの大学が発達障がいの学生に手厚いか?」と皆さん聞いてこられるが、我が家も手探りの中で入学した。

・大学側も積極的に年々増えていく配慮学生の取り組みに力を入れる様に要望したい。

【厚生関係】

・役所の支援担当者が発達障がいに詳しくない(理解がない)。

・相談支援事業所の相談員の質的向上。

・1人っ子のため親亡き後、施設入所や後見人などが心配です。

・役所の書類は親が手伝っているので対応できるが、親以外に頼れる体制がない。

・現在 福祉サービスを利用していないため、計画相談の対象ではなくなった。

・親亡き後を考えると、困った時にどうやって支援者とつながれるのかに悩む。

・送迎無しの放デイでは親の負担が大きく移動支援を使いたかったが、放デイの送迎には利用できなかった。

・中高大学向けの進路支援型のデイサービスなど増えると助かる。

・本人は1人暮らしの気持ちが強く毎月グループホームでショートをしており、私も子の自立を第一に考えたい。

・子ども医療で、上限月額500円等で発達外来に何年も継続して通院・投薬を受けさせてもらっている。成人後は現在の小児科にかかれなくなり、医療費も増大すると思うと不安。

・成人後、かかりつけ医が見つかるか心配(手帳更新の際の発達検査が2年に1度2万円程かかり自費なので…)。

・医療費が大きくなるのが心配。親が亡くなると本人が負担するので払えるのかが不安。

・新たに病院(合う先生)を探したり、本人が悩みをそこで話していく事はとても難しい場合があると感じる。

・親子共に長い目で関わり助言して下さる専門医師がいる環境は必要だと思う。

・こどもに合う医師を探しても新規受付はなかったり、次の病院に繋げられないかも…と不安。

・通院しているクリニックが閉院した場合、親なら次を探せるが、本人だけになった場合の支援をしてほしい。

・地域で健康に暮らしていくため、全医療機関の医師~職員の発達障がいに対する理解・対応方法の工夫がほしい。

・今は受診ヘルプカードをつくって医療機関に見せているが、ちゃんと対応してもらえるところばかりではない。

・電車・バスなど人の多い場所に困っている。タクシーや人の少ない電車・車両が利用しやすくなると助かる。

・成人年齢が18才に引き下げになったことによる契約等のトラブルに対しての学習の充実。

【労働関係】

・外出がしんどいため、在宅ワークやテレワークによる障がい者雇用を推進してほしい。

・職場定着支援は就労後10年、20年以上たっても必要だと思う。

・継続して勤務できている場合は自動的に勤務時間を増やし、社会保険に加入できるようにしてほしい。

・職場は雇用後、難しくない仕事をやらせて何か問題が起こればその都度対応しようと思っているのが見える。

・ジョブコーチも数が足りているとは思えず不安が多い。

・精神福祉手帳はもっているが一般就労であるため、支援は受けていない。就労半年で2ヶ月休業し復職となった。

・精神科のドクターに相談はしているが、今の会社を続けるべきかやめるべきか、息子の様子を見ている所です。

・職場で困った時に上司に伝えられず、親が相談に乗り、支援センターに行っている。どこまで親が介入すべきか?

・「職リハ訓練生」となったが、1年間勤めあげられるか、また就職につなげられるのか、親としてとても不安。

・発達障がいを雇うところが増えてほしいです。

・就労出来た後も個人に合った支援を求めやすい環境が好ましいので、社員・職員のサポートも強く望む。

・定着支援は、就労移行などを経た人以外も利用しやすくしてほしい。また、期間の延長を望む。

・就労先に関する情報なども教えていただきたい。

・公的機関での障がい者雇用をすすめているので、「チャレンジ雇用」と期間を限定することはないと思う。

・福祉をよくわかっていない経営者が乱立しているように感じる。

・職場が地方で1人暮らしというのも大変。

・グループホームが合わず1人暮らしを希望した場合、公的年金だけでは住居費が不足し、住宅補助の制度が必要。

・家事援助ヘルパーさんに障がい特性を理解してもらうための研修等を行える公的専門機関が必要。

(2022年11月会報より)

チェック項目 (全国LD親の会HPより引用、要望の下位項目をここでは省略しています)

 

教育関係

通常の学級における学級規模を小さくし指導の充実を促進すること

合理的配慮を確保しつつ、インクルーシブ教育システムの充実の推進を図ること

切れ目のない支援体制整備の一層の推進と指導の充実を図ること

GIGAスクール構想によるICT機器の整備を進め、誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを確立すること

キャリア教育は本人の特性を考慮し、適切な指導を行うこと

発達障害の特性に応じた緊急時の支援対策を整備・周知すること

 

厚生関係

発達障害者支援センターの専門相談員および職員を増員すること

身近な地域での発達障害児者およびその家族に対する支援を推進すること

乳幼児から成人までの発達障害に対応できる医療機関を拡充すること

発達障害者に対する情報支援体制の整備を拡充すること

感覚過敏等により、公共交通機関の利用が困難な発達障害のある人に対する外出支援を構築すること

発達障害の特性に応じた緊急時の支援対策の整備・周知すること

 

労働関係

継続して働き続けるための支援を充実すること

発達障害者に対する相談体制の整備と多様かつ効果的な職業訓練、職場実習制度を充実すること

発達障害者の雇用を促進すること

公的機関における発達障害者の雇用を促進すること

雇用・就業関係機関職員や事業所に対する発達障害関係の研修を充実すること

障害者就業・生活支援センター事業を拡充すること