オンライン講座「今 知っておきたい成人後のくらしについて」
1月29日(日) 10時から12時にかけて、講師にファイナンシャルプランナーの鹿野 佐代子先生をお招きし、Zoomによるオンライン講座を実施しました。おたふく会会員22名と、全国LD親の会にもご協力いただき、加盟団体の会員19名の申し込みがありました。
鹿野先生は以前にもおたふく会の講演会にお招きしており、2014年には発達障がい児・者の自立に必要な性とお金の支援について、2016年には成人した発達障がいのある子どもに対して親が出来ることや心構えをお話しいただき、いずれも大変好評でした。勉強会のリクエストでは会員から必ず鹿野先生のお名前があがっており、ようやく実現の運びとなった次第です。
今回は、発達障がい児者の自立にむけてのお話や金銭管理、福祉制度のお話、また、事前に受け付けていた申込者からの質問も鹿野先生にお答えいただき、2時間では収まりきらないほどたくさんの話題についてお話してくださいました。
<参加者の感想・学齢期の保護者から>
・生涯に掛かるお金の計算方法など、親の私自身も色々と参考になり安心できることがありました。
・成人後に起こりうる金銭的トラブルとその対応策もぜひ聞きたい。
<参加者の感想・青年の保護者から>
・キャッシュレスよりも、現金を使った方がいいことが、よくわかりました。計画的にお金を使えるように本人と一緒に考えていきたい。
・漠然と大きな不安があったのですが、いい意味で福祉の力って大きいんだなと安心できました。福祉とつながり、今からできる準備を進めていこうと思いました。
・「できる を前提に目的をはっきりさせ、そのためにどうするかが大切」というメッセージで、基本に立ち返る事ができました。
・親として何をやって行くべきか学ばせて頂き、親子とも歳を重ねて焦るばかりですが講義を聴き背中を押して頂きました。
今回、参加者から感想と共に質問も寄せられたので鹿野先生にお伝えしたところ、早速回答を下さいました。皆さんの役立つ情報満載でしたのでお伝えします。
Q.手帳を持たないけど生きづらいグレーな場合
A.「生きづらさ」が具体的に想像できているなら、自分の癖や特性を知って対処方法を何通りも考えておくことは大事ですね。手帳がなくても、福祉や自助会とはつながることはできますので、「生きづらく感じたらヘルプを出していいんだよ」という環境づくりも大事になってくると思います。手帳のない人の例はありますので、いつかセミナーでお話しできればと思います。
Q.本人に合ったグループホームの探し方
A.ショートや体験を通じて、実際利用するしかないと思います。居宅介護を受けながら生活している今の環境で困っていないなら、無理にグループホームを利用しなくてもよいようにも思います。二世帯住宅の生活は親も子もメリットがあることもあるので、付かず離れずの生活を心がけてはどうでしょう。それでもGHに入居したいなら、冒頭でお伝えしたように、実際入居するための体験をすることが大事です。
Q.ファイナンシャルプランについて…
①仕事をずっと続けられるかどうか不明なので、ファイナンシャルプランを立て辛いのですが、考え方をどうすればいいのでしょうか?
②自宅近くで依頼する時、障がい者に対応して頂ける所を見つけるにはどうすればいいでしょうか
A.①②合わせての回答になります。今は、Zoomで相談にのってくれるFPがいます。ですが、その前に、一般向けでもよいので、ファイナンシャルプランに関連するセミナーの受講や障がい者を対象に相談できる機関をご利用されるのはどうでしょうか。
ゆうちょ財団では、私の意思を引き継いだ「久保田あきみ」さんがオンライン形式で無料相談も行っています。そのような機関をご利用されてから本格的に申し込みされるのはどうでしょうか?
暮らしとお金の「無料相談会」|一般財団法人ゆうちょ財団 (yu-cho-f.jp)
(2023年3月会報より)