2025年1月30日木曜日

知っ得シリーズ⑧ おたふく会のあゆみ その②(2024年6月)

知っ得シリーズ⑧

おたふく会のあゆみ その②

「知っ得シリーズ」は、会活動や支援体制・仕組みなど、知っているようで知らない色々な事について、リレー形式で掲載します。今回は会報第265号に掲載の「おたふく会のあゆみ その①」の続編として、2021年発行の『別冊おたふく』設立30周年記念号の中の記事「みんなでつくるおたふく会ザックリ年表」の中から抜粋し、2001年から10年間の当時の出来事や会活動についてお伝えしたいと思います。

<年表> 当時の出来事とおたふく会

年度

当時の出来事 

・その頃おたふく会は…

会員数

2001(H13)

旧来の“特殊教育”という言い方に代えて“特別支援教育”が使用され始める

・おたふく会10周年記念事業 シンポジウム「LD等をもつ子どもの子育てと社会的自立への課題」開催

165人

2002(H14)

文科省、LD、ADHD、高機能自閉症などの全国実態調査の結果公表。学習面や行動面で著しい困難を示す生徒=6.3%

・おたふく会自立支援の会「チャンス」設置

178人

2003(H15)

「松心園で初診3年待ち」が常態化し大阪府は「自閉症児療育強化事業」を府単独事業として創設

全国LD親の会公開フォーラム「これからの特別支援教育の在り方」が大阪で開催

178人

2004(H16)

・アンケート調査報告書『特別支援教育への提言~保護者からの発言集~』発行

219人

2005(H17)

「発達障害者支援法」施行  日本発達障がいネットワーク(JDDnet)発足

府単独事業「発達障がい療育等支援事業」スタート

全国LD親の会公開フォーラム「発達障害のある本人・家族への支援に向けて」 が大阪で開催

・大阪府と大阪市の発達障害者支援体制整備委員会委員としておたふく会も参画(以降、継続して参画)

260人

2006(H18)

学校教育法施行規則の一部改正 により、LD・ADHDが通級の対象に加わる

全国LD親の会に改名、『LD,ADHD,高機能自閉症とは?(増補版)』発行

・大阪LD親の会「おたふく会」に名称変更、ホームページがオープン

・ニッセイ財団助成事業 ドルフィンクラブ・和太鼓教室・絵画教室他

294人

2007(H19)

学校教育法が改正、特別支援教育が制度としてスタート

全国LD親の会公開フォーラム「スタートした特別支援教育の現状と課題」が大阪で開催

317人

2008(H20)

全国LD親の会NPO法人化

317人

2009(H21)

全国LD親の会公開フォーラム「一人一人のニーズに応じた特別支援教育の実現を目指して」が大阪で開催

・おたふく会20周年記念事業「マッケンジー・ソープ絵画展」

305人

2010(H22)

23年度大学入試センター試験で発達障害のある受験生に特別措置開始

282人

※参考:全国LD親の会刊 『発達障がい者支援におけるNPO等の役割に関する報告書-全国LD親の会20年のあゆみ-』

※2009年度末までの会員数も上記参考資料によりますが、前年度末時点の会員数が表記されおり、前年度の会員数としてここでは掲載

おたふく会会員の回想コメントから…

・チャンス(おたふく会自立支援の会)で特例子会社や職業訓練施設など、いろんな所に見学に行くことができて、障害者に細かく配慮してくれる会社があることにとても感心しました。真っ黒だった将来の選択肢が開けてとても感謝しました。

・特別支援教育という言葉は、大阪ではわりと柔軟に取り出しなどすでにあったことが、2004年のアンケート調査で実証されました。報告書の内容は画期的だったと、自画自賛。

・2005年の公開フォーラム(NHKホール)は事前申込みが不要だったため殺到し、当日は会場の外にまで行列ができ、受講できないお客さんが憤慨していました。会場に入れなかったものの、モニターで見学できたのはラッキーでした。

・特別支援教育について教えてくれるのはおたふく会くらいしかなく、習い事のようにおたふく会の運営委員会に顔を出していました。

・小学校の支援担に個別の教育支援計画や個別の指導計画について教えてもらい、翌年から計画の作成・一部記入に参加させてもらいました。

・2009年のソープ展は大変盛況で、暖かいパステル画を息子と一緒にゆっくり鑑賞しました。


➡「特別支援教育」への関心が非常に高まり、地元の小中学校では徐々に支援学級に在籍を希望する児童生徒が増えはじめ、「早期発見・早期療育」を求めて初診待ちや療育への応募も一気に増えた時期でした。「発達障害」関連の講演会の多くが大盛況で、関連書籍がズラリと並び始めたのもこの頃です。

「この頃のおたふく会は…」といいますと、会員数が300名を超える大所帯の会となり、会員交流会が「学年ごと」「地域ごと」など以前にも増して、様々な活動が活発に行われました。会員からのニーズを汲み取り、発達障害のある子ども・青年の居場所作りにも親の会が一役買っていたと言えます。先輩会員の皆さんに本当に頭が下がる思いです。 (I)

(2024年6月会報より)